1. 少額短期保険会社と
保険会社の主な相違点
- 「少額短期保険業者」と「保険会社」の主な相違点は次のとおりです。
少額短期保険業者
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保険会社
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生損保兼営 | 生損兼営可 | 生損兼営禁止 |
商品審査 | 事前届け出制(届け出の60日後(短縮・延長可)より発効) | 個人商品は認可制 |
事業方法書、普通約款、算出方法書 | 事業方法書、普通約款、算出方法書 | |
取扱商品の制約 | あり(保険金額:2参照、保険期間:3参照) | 特になし |
クーリングオフ | 適用あり | 同左 |
保護機構 | なし(詳細は、5参照) | 全社加入義務あり |
参入規制等 | 財務局による登録制(保険業法第272条) | 金融庁長官による免許制(保険業法第3条) |
最低資本金:1,000万円 最低資本金と同等以上の純資産額 営業保証金の供託 |
最低資本金:10億円 | |
検査・監督 |
金融庁(財務局)による検査・監督 ソルベンシーマージン比率規制 |
同左 |
事業規模 | 小規模事業者であること(収受保険料規模50億円未満) | 特になし |
情報開示 | ディスクロージャー誌の設置 | 同左 |
外部監査 | 資本金3億以上 | 全社 |
2. 保険金額に関する
制限(上限)について
- 少額短期保険業においては、次のとおり、保険の区分に応じて1被保険者についての保険金額の上限が設けられています。なお、①~⑥の保険の保険金額の合計額は1,000万円が上限となります。
① 死亡保険(下記⑤を除きます) | 300万円 |
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② 傷害疾病保険(下記③④を除きます) | 80万円 |
③ 重度障害保険(下記④を除きます) | 300万円 |
④ 特定重度障害保険(傷害による重度障害保険)※1 | 600万円 |
⑤ 傷害死亡保険(調整規定付傷害死亡保険の場合は、600万円) | 300万円 |
⑥ 損害保険(下記⑦を除きます) | 1,000万円 |
⑦ 低発生率保険 ※2 | 1,000万円 |
※1 傷害を原因とする特定重度障害保険の保険金額について
死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険が同時に付保されている場合には、特定重度障害保険の支払額から死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険の支払額を減額されるものに限ります。
※2 低発生率保険について
低発生率保険とは、損害保険のうち、特に保険事故の発生率が低いと見込まれるものであり、個人の日常生活に伴う損害賠償責任を対象する保険(自動車の運行に係るものを除く)をいいます。
3. 保険期間に関する
制限(上限)について
- 少額短期保険業においては、次のとおり、保険期間に上限が設けられています。
①生命保険、傷害疾病保険(第三分野の保険)1年
②損害保険2年
4.少額短期保険業で
引受けることができない保険
- 少額短期保険業においては、保険金額、保険期間に関する制限とともに、次の保険は引受けることができません。
1.人の生存に関し、一定額の保険金を支払うことを約する保険(個人年金保険、貯蓄保険など)
2.保険期間の満了後満期返れい金を支払うことを約する保険(積立型の保険など)
3.保険料を主として株式や債券などの有価証券に投資し、その運用実績に応じて保険金額が変動する保険―運用実績連動型保険契約(変額保険など)
4.再保険
5.保険料または保険金、返れい金その他の給付金の額が外国通貨をもって表示されている保険(外貨建て保険など)
6.保険金の全部または一部を定期的に、または分割払いの方法により支払う保険であって、その支払いの期間が1年を超えるもの
5. 保険契約者保護のしくみ
- 生命保険業免許、損害保険業免許の対象となる保険商品については、保険契約者保護のしくみとして、それぞれ「保険契約者保護機構」が設けられていますが、少額短期保険業はこの制度の対象外となっています。